働いたり、妊娠したり、出産したり。

フルタイムでも共働きでも、ゆるゆるとマイペースに暮らしたい。

妊婦のしんどさは「つわり」や「お腹の重さ」がメインではなかったよ。

小学生の頃、自分だけ逆上がりが出来なかったり、自分だけ植木鉢から芽が出なかったりして、とてもしんどかったなぁ、という記憶があります。

妊婦になって、そんなことをよく思い出すようになりました。

 

「普通のこと」が出来ない苦しさ

妊婦になって初めて気がついたことは、世の中にはいろんな「普通」があって、そこに馴染めないと、とても生きづらいということ。
例えば、満員電車で多少押されても仕方ない、とか。取引先で出てきたコーヒーは美味しく最後までいただく、とか。これまで、何も考えず当然だと思ってきたことがたくさんありました。
でも、妊婦になって。満員電車で身体を押されると、鞄や肘がお腹にぐいぐい当たります。さすがに、お腹を押されるというのは、結構怖い。リアルに危険を感じる。そして痛い。でも、通勤時間帯の人々は必死なので、妊婦マークを付けていてもお腹が出ていても、意外に妊婦だと気づいてはもらえません。

取引先で出てきたコーヒーも、その日1杯目なら良いけれど、2-3杯を超えると迷う。カフェインの過剰摂取は、胎児に影響を与えることがある、といわれていいるので。妊娠初期で職場にも明かしていない時期、目の前のコーヒーを飲むかどうか。ためらいます。

こういう、なんてことない「普通の毎日」に、心を少しずつすり減らす必要があります。

 

「マイノリティ」ってこういうことなのかしら

ああ、もしかして、障害者の人やLGBTの人は、しょっちゅうこういう気持ちなのかな、としみじみ思いました。
一生懸命、白杖で音を鳴らして歩いている視覚障害者の人たちは、車の音が近づいてくるだけでもすごく怖いだろうな、とか。レズビアンの人たちは、少子化で未婚率の高さが訴えられたり、TVドラマの恋愛が常に男女ペアだったりするたびに心が痛むのかな、とか。
これまで「マイノリティ」って少数派という意味としか捉えてなかったけど、数の問題ではなく、「普通」の中で生きることが困難な人たちのことなのか、と実感したのです。最近話題の受動喫煙も、ぜんそくの人やがん患者の人は、喫煙可のスペースにいるだけで苦しいかもしれないわけです。

 

「ちょっとしんどい」「ちょっと眠い」の目に見えないつらさ

フルタイムで働いている身として、予想以上につらかったのが、「ものすごく体調が悪いわけではないけれど、常に低調」ということでした。「何ヶ月間も調子の出ない日が続く」というのは初めて。

妊娠するまでは、調子が悪い日は、じゃあ薬を飲もうとか、睡眠を長めに取ろうとか、そうやってやり過ごしてきましたが、妊娠してからは「薬はほとんど飲めない」「眠くても寝付けない」という日々が、何ヶ月も途切れることなくずーっと続きました。

特に私は、妊娠発覚〜妊娠5ヶ月後半(20週)ごろまで、ずっと「ちょっとしんどい」「すぐ疲れる」「眠いのに眠れない」の状態。でも、病院で相談しても、雑誌を読んでも、「妊娠はそういうものなので、無理をせずに過ぎるのを待つ」しか方法はありませんでした。

ものすごく体調が悪いのであれば、仕事も休むし、何もしないでいるのですが、「ちょっとしんどい」が延々と続くと、そうはいきません。一応歩けるし、仕事にも行けるし、PCも打てる。でも、業務内容は頭に入ってこないし、すぐ息切れするし、毎日15時くらいには眠気と疲れで頭がぼうっとします。だからと言って、これまでのように解決する術はありません。

妊娠の理解のある職場でしたが、調子が悪いのを見て「病院で相談してみたら」と言われるのがとてもつらかったです。元々、体調管理には気をつけているタイプで、すぐに病院に行って解決しようとしてきましたが、こればかりは病院に行っても「妊娠はそういうものだから無理しないでね」と言われるだけなんですよ…!!

やっと、妊娠5ヶ月の終わり(21週あたり)で、ずっと平熱より高め(36.8度くらい)を保っていた体温が元に戻り(36.4度くらい)、だいぶ楽になりました。こうやって、仕事以外でPCが打てるくらいですから。

ただ、あのときの、いつ明るくなるかわからない暗闇を這っているような感じは、ちょっと忘れがたいです。ああ、学校の時、保健室のベッドから起き上がれなった友人は、こんなしんどい気持ちだったのかも…と思うと、なんともやるせないです。

 

ちょっと人にやさしくなれるかも

今まで、割と「普通」にやってこられた自分が、そうでなくなって初めて気がつくことがたくさんありました。と同時に、小学生のころは、「みんなができるのに自分だけできなくてつらい」ことってたくさんあったな、ということも思い出しました。(ちなみに3月生まれです)

妊活中は「妊婦さんは幸せそう」と思っていましたが、なかなかしんどい。ということは、街で歩いているいろんな「幸せそう」「普通っぽい」人たちも、やはりしんどいことを抱えて生きているのかもしれません。

そんな可能性を頭の端っこに置きながら、人と接するようにしよう、と誓う今日この頃なのでした。 

 

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