感想:街の人生(岸政彦)
「 断片的なものの社会学 」につづいて、岸政彦さんの「 街の人生 」を読みました。
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全5章のうち、なんとなく選んだ2つの章を読んだ時点で、どっと疲れはててしまいました。それ以上ページをめくるが体力が残っていない、という表現が正しいように思います。
本書は、著者の岸政彦さんが、5名の人たちに、これまでどのように生きてきたかをインタビューした時の記録です。
どんな土地で生まれ、どんな人と出会い、毎日どんなことをして生きてきたのか/生きているのか。受け答えの口調など、出来る限りインタビューそのままのやり取りを記録しよう、という意思を感じる内容になっています。
著者である岸政彦さんは、数百人に対し、そのような「生活史の聞き取り」をしているといいます。そして、冒頭に、「これは普通の人生の記録です」と言い切ります。
インタビューの対象は、外国籍のゲイ、摂食障害、シングルマザーの風俗嬢、ニューハーフ、ホームレスの5名。マジョリティかマイノリティかといわれれば、マイノリティに属する人たちです。
でも、「普通の人生の記録」である。それがどういうことなのかは、本書を読む中で、(本当に淡々とインタビューが続くだけなのですが、だからこそ)理解できると思います。
突然ですが、岸政彦さんの「断片的なものの社会学 」にて、ヤンヨンヒ監督の「かぞくのくに 」という映画が紹介されています。私がものすごく好きな映画なのですが、この「街の人生」を読んでいるとき、まるで「かぞくのくに」書籍版のようだ、と思いました。
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「かぞくのくに」は、在日コリアン(北朝鮮国籍)の家族の話です。あらすじは割愛しますが、日本に住む家族のもとに、北朝鮮に住む長男が帰ってきて、限られた数週間のあいだ、日本で共に生活する日々が描かれています。監督の実体験をもとに作成された作品です。
この背景には、大きな歴史的な流れ、国家関係や政治体制の問題が山ほど眠っています。
でも、映画で切り取られているのは、彼らの毎日の暮らしです。一緒にごはんを食べたり、他愛もない話で笑ったり、嫌なことがあっても黙っていたり、泣きたくても泣かなかったり。そんな連続の中で、長男は日本にやってきて、常に北朝鮮の見張りに同行を注視され、感情をほとんどあらわにせず、最後には帰国していきます。毎日の暮らしは、その前も、その最中も、そのあとも続いていきます。彼らはものすごい痛みや悲しみを抱えていますが、でもそれは悲劇的な別離とか、感動的な再会とか、そんな言葉で意味づけをする前に、彼らにとっては一つの、普通の人生なのです。
映画の話なのか本の話なのかわからなくなってしまいましたが、この「街の人生」はそんなふうに、それぞれの普通の人生を記録した、貴重なインタビューが寄せられた一冊です。
わたしが5分の2を読んだだけでどっと疲れたのは、彼らの人生が激動だから、悲劇的だからというわけではなく、普通の人生として記録されていたからだ、と思っています。
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書評:断片的なものの社会学(岸政彦)
岸政彦さんの「断片的なものの社会学 」(朝日出版社)を読みました。
とても面白く、大好きな本になってしまったので、書評とまではいえないかもしれないけれど、感想を書いておきたいと思います。
普通に生活をしている中で、ふと、これは人を傷つけているのではないか、と思うときがあります。
それは、誰かの陰口を言ったとか、誰かを無視したとか、誰かのものを横取りしたとか、そういうときのことではなく。
例えば、自分の家族の写真をSNSにアップしたとか、お年寄りを席に譲ったとか、道に落ちているゴミを拾ったとか、そういうとき。
その度に、これは人を傷つけているのではないか、と思います。思うけれど、やめられません。
そんな日常で出会う断片的なものを、ひとつずつ、ちゃんと言語化して、ちゃんと考えていて、綴っている人がいた。
この「断片的なものの社会学」を読み始めたとき、そんなことを思いました。なんだか嬉しいような、恥ずかしいような。
きっと、同じように感じた人は他にもたくさんいるんじゃないかな、と思います。
「紀伊國屋じんぶん大賞」という大きな賞も受賞したそうなので、きっとそうに違いない、と信じています。
本書には、社会学者の岸政彦さんが感じたこと、冒頭に挙げたような断片的なできごとや気持ちが、たくさん詰め込まれています。
タイトルには「社会学」と謳われていますが、何かを体系的に整理し、分析し、一つの答えを出しているような本ではありません。体系的に整理できない思いや、文脈にならない断片的なできごとを、ひとつずつ淡々と記録して、心にそっとしまう、そんな作業の記録のような本です。ある社会学者のエッセイ、とでも呼ぶと、ふさわしいのではないでしょうか。
せっかくなので、好きな章のうち、ここではふたつほど紹介したいと思います。
まず、本書の序章である7ページほどの「イントロダクション 分析されざるものたち」。
ここでは、意味付けできない断片的なものってあるよね、というようなことが語られています。作者は幼稚園のとき、路上に転がっている無数の小石を一つ拾い上げ、うっとりと眺めていたそう。広い地球で、この瞬間にこの場所でこの私によって拾われたこの石。そのかけがえのなさと「無意味さ」に、震えるほど感動していたと。
同じように、知らない人たちが書いた膨大なブログやTwitterを眺めるのも好きだといいます。「浜辺で朽ち果てた流木のようなブログには、ある種の美しさがある。工場やホテルなどの「廃墟」を好む人びとはたくさんいるが、いかにもドラマチックで、それはあまり好きではない。それよりもたとえば、どこかの学生によって書かれた「昼飯なう」のようなつぶやきにこそ、ほんとうの美しさがある」。
そもそも無意味なものに、意味もなく出会うことがたくさんある。私たちはその出会いや存在に、無理やり意味を見出す。でも、そんな無理やりの意味すら出来ず、ただそこにあるだけの、意味のない断片的なもの。それが、本書の主役なのです。
つづいて、「手のひらのスイッチ」。子供を持たない作者が、子供の写真がプリントされている年賀状を出してくるような友だちと、なんとなく疎遠になってしまう話が綴られています。
作者は「子供ができない俺に向かって、そんな年賀状を出してくるなんて無神経だ!」と言っているわけではありません。仲の良い友達が妊娠・出産すると心から祝福します。楽しみにもなります。でも、なんとなく疎遠になってしまう。そのままのことを書いています。
幸せというものは、そこから排除される人々を生み出すという意味で、同時に暴力でもある。では、その幸せを、みんな捨ててしまうべきなのか。
いや、一人ずつ違う幸せがあるからそれを認め合えばいいじゃないか、という人もいる。でも、普通にウェディングドレスを着て、普通にきれいだね可愛いねとみんなから言われたい、幸せというのは「一人ずつ違う」とかではなく、そういうありきたりないものではないのか。
そして、そんな幸せをずっと想像して願ったり、それゆえに誰かを傷つけたりする、そんなことを誰しもが続けている。それは良いことでもないけれど悪いことでもない。
そういうことを書いたあとに、作者はこの章を、「だから私は、ほんとうにどうしていいかわからない。」と結んでいます。
最後に。
この本は、THE社会学の学問書というよりは社会学者のエッセイ、といいましたが、どうであれ「社会」に関しする本であることは間違いない、といえます。
人間とか犬とか小石とかの集まりを「社会」として私たちが意味付けすることによって生まれるもの、一人ずつがその社会に触れるときに起こるもの、そういう断片的なものについて書かれている貴重な本だと思います。
社会の中で、いろんな断片的なものの存在を感じたとき、この本を本棚から取り出して、そうだよね、そう思うよね、と小さな拠りどころにしたいなと思います。
[大塚国際美術館への旅]アクセス抜群で快適なホテル&旅館たち
先日の記事の通り、念願だった大塚国際美術館を訪問し、そのためにホテルモアナコーストに宿泊しました。
そこで、このホテルモアナコーストを選ぶに至るまで、いったいどの宿に泊まろうか…と悩んでたくさん調べたので、候補として悩んだホテル&旅館をご紹介します。
そもそも鳴門のホテル・宿は数が限られるので、「きれいな宿でゆったりくつろぐ」「美味しいご飯を食べる」「広いお風呂に入る」を目的に選んでいくと、自然に残ったのは5箇所ほどでした。
温泉旅館なら「鳴門海月」の一択。
鳴門は温泉街ではないので、温泉に入りたい場合は候補が一気に絞られます。
特に、旅館を希望するのであれば「鳴門潮崎温泉 ベイリゾートホテル鳴門海月 」の一択。ホテルを希望する場合は、高級ホテルの「鳴門パークヒルズ ホテルリッジ 」か、家族連れでも安心の「ルネッサンスリゾートナルト 」の二択になりました。
THE温泉旅館「鳴門潮崎温泉 ベイリゾートホテル鳴門海月」
・温泉:あり
・部屋のタイプ:和室・洋室
贅沢をしたい方はぜひ!「鳴門パークヒルズ ホテルリッジ 」
・温泉:あり
・部屋のタイプ:和室・洋室
子連れも安心「ルネッサンスリゾートナルト 」
・温泉:あり
・部屋のタイプ:和室・洋室
温泉なしでもOKだったら「鯛丸海月」。
この「鯛丸海月」、とにかく安いんですよ。しかもお部屋が新しくて綺麗なのに。
おそらく、温泉もなく、夕食もそんなに豪華ではないので、いわゆる「旅館で至れり尽くせり」とまでは言えないからなのかな…と思います。
ただ、名前の通り新鮮な鯛をメインに据えた夕食で、結構な品数を出してくれるコースも選べるので、満足度は高そう。(一番安いのは、鯛の丼ぶりのお食事でした。控えめで良い人は、これを選べば相当安く行けると思います!)
「鳴門海月別亭 鯛丸海月」
・温泉:無し
・部屋のタイプ:和室
そして大好き「ホテルモアナコースト」
最後はホテルモアナコースト。こちらは先日の記事でご紹介した通りです。
温泉はないけどおすすめですよ!イタリアン!
ここに挙げたお宿は、いろんなクチコミを読んでみて、どこもきっと満足度は高いんじゃないかな、と思います。あとは相性の問題かと。
今度はお金を貯めて、鳴門パークヒルズ ホテルリッジ に泊まってみたい…。
出張にてコンフォートホテル博多まで。
8月の博多出張では、コンフォートホテル博多に泊まりました。
安定のコンフォートホテル系列。ハズレがないですね。
シングルでも狭すぎない!
椅子も引けないくらい狭いお部屋もあるけど、若干のゆとりはあります。
もし学生の貧乏旅行で、セミダブル扱いでの予約もOKだったら、友達と二人で泊まっちゃうかも。
何よりベッドがちょうど良い硬さで、眠りが浅い私もよく眠れるのがいちばん嬉しいです。
冷蔵庫、テレビなど、当然揃っております
デスクはこんな感じ。
仕事をするのにとても重要なデスク。PC広げて、両脇に書類を広げるスペースもあるので助かりました。
無難なお風呂とアメニティ
こちら、アメニティは必要最低限という感じ。お風呂も標準。
本当は、綿棒やヘアゴムがあると嬉しいのですが…。とはいえ、フロントに言えばきっとくれるはずです。
トイレはもちろんウォシュレット付きでした。
しっかり清潔です。
ビジネスホテルでいつも心配なのが、清潔感。
有名なチェーンでも、お風呂の脇やカーテンにびっしりカビが生えていたりとか、つらいことがたまにあります。
コンフォートホテル系列では、そういう目にあったことは一度もないはず。
空気清浄機もお部屋に完備されていたので、部屋の空気も淀まず、快適に過ごすことができます。
恒例の無料の朝食。
写真を撮っていないのですが、おにぎりやパン、サラダにおかずなど、お決まりの朝食です。けして豪華ではないのですが、もともと宿泊料金に含まれているので、出張組としては助かります。
アクセスはJR博多駅の地下から!
あと嬉しいのは、雨に濡れず、地下を通ってホテルまで到着できること。荷物が重いときに雨に降られると本当にしんどいので、荷物が重い方には特にオススメです。
*じゃらんからの予約* コンフォートホテル博多
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真田信之(真田信幸)ファンのための一冊としか思えない新書を発見
本日、書店で見つけてしまいました。
新書「真田信之 父の知略に勝った決断力」…!
真田丸にて大泉洋演じる真田信之。この信之ファンの心をくすぐるタイトル…。発売日2016年9月16日の「真田信之 父の知略に勝った決断力 」。出来たてほやほやです。amazonレビューもまだ1件のみ。
関ヶ原後の領主としての働き、そして大坂冬の陣・夏の陣
この一冊、400ページにもわたって、真田信之の生涯を追っているのですが、情報量がすごい。非常に充実しています。実際に残っている書状などをもとに、細かな信之の毎日がつづられています。
その中でも、私が大河ドラマを見ながら特に気になっていた、
・関ヶ原の戦い後の信之の領主としての活躍
・大坂冬の陣、夏の陣での信之の動き、信繁との戦い
の二点について、なんと150ページものページが割かれているのです…!
特に信之による領地の内政については、相次いでいた浅間山の噴火をはじめとした天災、そして戦乱により大きく荒廃していた村々をどう立て直していったのか、地図や年表をもとに掘り起こされていきます。
そして、気になるのが大阪の冬の陣・夏の陣。信繁とどのように対決したのか、という点。この部分については、信之がいかに父の昌幸の赦免に尽力していたか、大坂の陣まで九度山とどのようなやりとりがあったのかという話から始まります。そして、冬の陣と夏の陣で信之と信繁がどのような働きを担ったのか。信之の息子たち二人の初陣や、その二人と信繁との対面、気になる家臣の動きなど、これまた丁寧に書かれています。(堀田作兵衛や矢沢頼幸のその後もよくわかります)
あのとき何が起こっていたのか、真田氏はその後どうなるのか
その他にも、信之の生涯が描かれているので、
・豊臣時代、そして関ヶ原の戦いまで、信之は何をしていたのか
・信繁の死後、信之はどのような運命をたどるのか
など、大河ドラマにおいてあまり描かれない部分についても、情報が充実しています。
例えば、犬伏の別れにおいて、昌幸・信繁が西軍につく決意を固めたが信之は頑として動かなかったことや、その後、徳川方に息子を人質に出して信頼をていることなど。細やかな対応の数々に、なんだかしみじみしてしまいます。
そして信繁の死後、信之は、秀忠からの命で上田から松代に加増され、領地を移ります。そして、徳川家綱の時代まで、苦難に出会いながらも生き延び、真田家を守ります。
是非とも大河ドラマのスピンオフを作成する場合は信之を主人公にしてほしいものです!
書状から聞こえてくる、信之や昌幸の生の声
あくまで新書なのですが、ついつい引き込まれてしまうのは、実際に残っている書状を主な資料をして下敷きにしているからかもしれません。
実際の信之が筆をしたためた文章はもちろん、正室の小松殿や昌幸、信繁、家臣や大名たちが残した文章が多数出てくるので、なんとも切ない気持ちになったり、苦しい気持ちになったり、つい感情移入してしまいます。
この情報量で1000円はなかなか良いのでは。新書で出してくれてありがとう!とお礼を言いたい。「真田信之 父の知略に勝った決断力 」、おすすめです。
2017年に向けて、井伊直虎を予習する
今年の大河ドラマ 真田丸も関ヶ原が終わり、確実にあと数ヶ月で終わる気配を感じて淋しい気持ちの今日このごろ。
その気持ちを振り払うべく、2017年の大河ドラマについて予習しました。
今回の主役「井伊直虎」、名前を聞くのも初めてなので、いくつか本を読んでおかないと流れについていけなくなりそうな予感がしております。
ちなみに、NHKの公式本はまだ出ていない模様。今年の真田丸は、この本でざっと概略をつかんだのでした。家系図や出演者インタビュー、細かな歴史背景など、充実しているので役立ちます。(この後編は今からでもおすすめ。)
では、気を取り直して。井伊直虎(演者:柴咲コウ)はどんな人物だったのか。
織田信長と同世代。今川家の勢力下にある小さな一族の女性。
重要なポイントとしては、
「織田信長と同時代」
「今川家の勢力下」
「浜松」
「女性」
というあたりでしょうか。
生まれ年は不明ですが、許嫁の直親(三浦春馬)が1535年、織田信長は1534年の生まれです。そのためドラマの舞台は、今回の真田丸よりも数十年前、まだ戦乱が激しく落ち着かなかった時代になると思われます。(お父さんの真田昌幸が、武田信玄の元で暴れまわっていたころ)
井伊家は静岡県浜松のあたりにルーツを持つ小さな一族で、今川義元率いる強大な今川家の勢力下に置かれていました。その今川家に、当主だった父親の直盛(杉本哲太)や、許嫁の直親は、次々と殺されてしまいます。このままだとお家断絶となってしまう、その危機を救うため、直虎は事実上の当主として井伊直虎と名乗り、幼い後継である直政(菅田将暉)を育てることとなります。
真田家と重なる時代設定と立場。
井伊直虎に関する文献や小説を読んでいると、どうしても真田丸の昌幸を思い出してしまいます。
井伊家も「国衆」と呼ばれる小さな領地を持つ一族。今川家、武田家、徳川家、織田家がひしめく地方にて、とにかく領地とお家を守るために必死に生き抜く術を考えつづけます。
激動の時代に、ついには今川家も滅亡するわけですが、その中で井伊家は生き残ったのです。
「徳川四天王」井伊直政
今川家に脅かされた井伊家ですが、直虎の育てた直政は徳川家に仕えることになり、徳川家康の天下取りに貢献することとなります。
直政が徳川に仕えたのは、1575年のこと。長篠の戦いで、織田・徳川軍が武田勝頼を下し、武田家が滅亡した時期に重なります。(真田丸の初回〜第2回目のあたりですね。懐かしい…)
この長篠の戦いを機に、徳川家康は広大な領地を持つ大名となります。そして翌年には直政も初陣を迎え、その後も家康を支え続け、「徳川四天王」と呼ばれるまでになっていきます。(ちなみに、関ヶ原の戦いの後には、なんと真田丸の真田信幸(真田信之)に対し、本多忠朝(本田正勝の子)とともに落ち合う旨の書状を送っているとか。)
このあたりの破竹の勢いが楽しみすぎる!菅田将暉演じる井伊直政!と思っていたのですが、なんと今回の主役である井伊直虎は、1982年にひっそりとこの世を去ります。本能寺の変で、織田信長が命を落とした数ヶ月後のことでした。
井伊直弼で有名な彦根藩の初代藩主に。
その後、井伊直政は関ヶ原の戦いを経て初代彦根藩主となります。
そう、彦根藩といえば、あの桜田門外の変で有名な13代彦根藩主 井伊直弼。
ここまで続いていく彦根藩の基礎を、直政は築いたことになります。
この辺りのエピソードも、大河ドラマにてどうにか取り上げてくれたら嬉しいですね。
色々と本を読みましたが、情報が少ない
というわけで、井伊直虎について色々調べてみましたが、実際に文献が残っているのは「井伊直政」について、という内容が多いです。井伊直虎については、資料も少なく、小説のようなものが多い模様です。
私が読んだのはこの辺りです。また細かくレビューしたいと思います。
「おんな城主 井伊直虎の生涯」
ムック本。家系図、井伊家の概略、ゆかりの土地など、広範囲に理解したい方におすすめです。
新書。バランスよく井伊直虎や井伊家など、史実を中心に理解したい人におすすめ。
小説。創作も含めてストーリーとして生涯を楽しみたい人におすすめ。
どれも、大人だけでなく子供でも読みやすいと思える書籍でした。ぜひ大河ドラマの予習を深めてみてください。
憧れの大塚国際美術館に行ってまいりました。
広かったー。
憧れの大塚国際美術館に行ってまいりました。
先日の記事にて、ホテルモアナコーストへの滞在をご紹介しましたが、それもこの美術館を訪問するため。
大塚国際美術館では、イタリアやパリに行かないと見られない名作たちが、原寸大のレプリカで再現されている…ということで、ずっと憧れていたのですが、ようやく訪れることができました。
開館時間の9:30前に行って、空港行きのバスに乗る14:30頃まで。みっちり満喫しました。
長いエスカレーターを通ると、そこにはシスティーナ礼拝堂が。
入り口は、バス停「大塚国際美術館前」の目の前。
チケットを渡し、長いエスカレーターを上がっていくと、すぐにシスティーナ礼拝堂が現れます!
と、早く足を踏み入れたい気持ちを抑えて、エスカレーター上がってすぐのミュージアムショップで、音声ガイドを借りることをおすすめします。特にスマートフォンタイプのものを借りると、絵の細かなガイドまでしてくれるので非常に楽しいです。(1日500円でした)
どーん!圧巻のシスティーナホール。入り口からすぐです。
バチカンで訪れたシスティーナ礼拝堂と、全く同じサイズ。天井画も壁画も同じです。このスケールと、ダイナミックかつ繊細な絵の数々に思わず息をついてしまいます。
(壁画は、写真の通り、窓の上の部分まで。バチカンのシスティーナ礼拝堂では窓のした部分まで、壁画がみっちり描かれています)
たくさん並べられた椅子に座り、鑑賞するというよりは、このホールの空気に浸ります。土曜日に訪問したのですが、そんなにお客さんが多いわけでも無く、静かに息をつくことができました。
正面の壁画。圧巻です。
私は、キリスト教にも芸術にも詳しくないのですが、この作品を何年もかけて仕上げたというミケランジェロが、どんな気持ちでこれだけの絵を描いたのか…と思いを馳せてしまいました。
同じくらい、スクロヴェーニ礼拝堂に感動
今回は、システィーナホールが目的のメインだったのですが、同じくらい感動してしまったのが、スクロヴェーニ礼拝堂。独特の絵と、きれいな色合い。
独特の世界観。ひんやりとした空気。自分以外、誰もいない時間もたくさんあって静かだったので、ここでもゆったり過ごすことができました。
他にも素晴らしい絵の数々。
フェルメールの「小路」という作品。「真珠の耳飾りの少女」や「牛乳を注ぐ女」といった、有名な作品も揃っていましたが、私はこれが一番好きでした。なんとなく。
レンブラントの夜警。現存するものはサイズを小さく切り落とされたものだそうですが、こちらは元々のサイズを再現しているそうです。
ゴヤの着衣のマハと裸のマハ。
同じくゴヤの黒い家。ゴヤの家での配置を再現しているそうですが、一人ここに佇むと、身震いがするような、恐ろしいというよりは切なくなるような気持ちでした。
ルーベンス。フランダースの犬でネロがパトラッシュと最後に見た絵ですね。
青空の下でモネの睡蓮!
モネの「印象、日の出」。この絵がすごく好きです。わかりやすいのがいい。
非常に印象的だった、最後の晩餐。修復前です。
最後の晩餐。修復後。
紹介しきれないのでこの辺りで。
他にも、ピカソのゲルニカや自画像(ブルーピカソ時代のものから、晩年のものまで)、アンリ・ルソーの作品の数々。ゴッホやゴーギャン、セザンヌ、ルノアールの作品も多くありました。
もちろん本物にはかなわない部分もあるのですが、触ることもできるレプリカなので、いろんな角度から絵画を見ることができ、また空いている空間でいくらでも一つの絵を見られる…というのが大きな魅力です。わざわざ行く価値あり、と思います。
少し遠いのですが…。美術館から歩いてすぐのところに、鳴門のうず潮の観光船も止まるので、鳴門海峡の観光もOKです。ぜひぜひ、一度は足を運んでみてください。
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