真田信之(真田信幸)ファンのための一冊としか思えない新書を発見
本日、書店で見つけてしまいました。
新書「真田信之 父の知略に勝った決断力」…!
真田丸にて大泉洋演じる真田信之。この信之ファンの心をくすぐるタイトル…。発売日2016年9月16日の「真田信之 父の知略に勝った決断力 」。出来たてほやほやです。amazonレビューもまだ1件のみ。
関ヶ原後の領主としての働き、そして大坂冬の陣・夏の陣
この一冊、400ページにもわたって、真田信之の生涯を追っているのですが、情報量がすごい。非常に充実しています。実際に残っている書状などをもとに、細かな信之の毎日がつづられています。
その中でも、私が大河ドラマを見ながら特に気になっていた、
・関ヶ原の戦い後の信之の領主としての活躍
・大坂冬の陣、夏の陣での信之の動き、信繁との戦い
の二点について、なんと150ページものページが割かれているのです…!
特に信之による領地の内政については、相次いでいた浅間山の噴火をはじめとした天災、そして戦乱により大きく荒廃していた村々をどう立て直していったのか、地図や年表をもとに掘り起こされていきます。
そして、気になるのが大阪の冬の陣・夏の陣。信繁とどのように対決したのか、という点。この部分については、信之がいかに父の昌幸の赦免に尽力していたか、大坂の陣まで九度山とどのようなやりとりがあったのかという話から始まります。そして、冬の陣と夏の陣で信之と信繁がどのような働きを担ったのか。信之の息子たち二人の初陣や、その二人と信繁との対面、気になる家臣の動きなど、これまた丁寧に書かれています。(堀田作兵衛や矢沢頼幸のその後もよくわかります)
あのとき何が起こっていたのか、真田氏はその後どうなるのか
その他にも、信之の生涯が描かれているので、
・豊臣時代、そして関ヶ原の戦いまで、信之は何をしていたのか
・信繁の死後、信之はどのような運命をたどるのか
など、大河ドラマにおいてあまり描かれない部分についても、情報が充実しています。
例えば、犬伏の別れにおいて、昌幸・信繁が西軍につく決意を固めたが信之は頑として動かなかったことや、その後、徳川方に息子を人質に出して信頼をていることなど。細やかな対応の数々に、なんだかしみじみしてしまいます。
そして信繁の死後、信之は、秀忠からの命で上田から松代に加増され、領地を移ります。そして、徳川家綱の時代まで、苦難に出会いながらも生き延び、真田家を守ります。
是非とも大河ドラマのスピンオフを作成する場合は信之を主人公にしてほしいものです!
書状から聞こえてくる、信之や昌幸の生の声
あくまで新書なのですが、ついつい引き込まれてしまうのは、実際に残っている書状を主な資料をして下敷きにしているからかもしれません。
実際の信之が筆をしたためた文章はもちろん、正室の小松殿や昌幸、信繁、家臣や大名たちが残した文章が多数出てくるので、なんとも切ない気持ちになったり、苦しい気持ちになったり、つい感情移入してしまいます。
この情報量で1000円はなかなか良いのでは。新書で出してくれてありがとう!とお礼を言いたい。「真田信之 父の知略に勝った決断力 」、おすすめです。